日本美術史の近代とその外部(’18)の基本情報
科目名:日本美術史の近代とその外部(’18)
メディア:テレビ
科目区分:人間と文化
単位数:2単位
単位認定試験平均点:2023年度1学期(84.8点)2022年度2学期(81.3点)
主任講師名:稲賀 繁美(京都精華大学特任教授)
【講義概要】
おおよそ鎖国期以降の時代に限定し、「日本美術」とその外部との関係を問い直す。
従来、歴史といえば国民国家の枠組みを自明視した各国史が支配的であり、美術史の記述もそれに準じたものが支配的だった。だがこの枠組みを近代国民国家意識が未成立だった時代にまで遡って無批判に当て嵌めるのは不適切であるとの認識が広がっている。また近代の国民文化論には、かえって文化交流の実態を覆い隠すという欠点も見逃せない。本科目では、情報の流通や授受からいかに造形が生まれ、いかに美術と呼ばれる営みが活性化されたかに注目したい。そもそも「美術」という枠組みも、「美術館」「美術学校」「展覧会」など、明治以降の欧米化のなかで制度的に確立された枠組みだった。その社会的な確立に孕む葛藤の裡にこそ、美術の生態、造形の現場があったはずである。【授業の目標】
① とかく自明視される「美術」が歴史的・社会的な枠組みであることを理解する。
② 美術館に収められた有名な作品を受け身で鑑賞するという姿勢から脱却したい。
③ 造形がいかなる東西交流・自己と他者との流通と交叉の現場なのかを捉える。
④ 日本美術史を一国美術史の枠組みから解放し、近代アジアの中に据え直す。
⑤ 「美術」を高価で特権的な視覚・造形媒体という階層秩序の高みから解き放つ。【履修上の留意点】
https://www.ouj.ac.jp/
特になし。
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